チタン材屋さん
金のパーツ屋さん

チタンとは?

チタンのご紹介

チタンの精製は、鉄などと比べ非常に手間のかかるものです。チタン鉱石は、中国、ロシア、オーストラリアなどに多く埋まれていると考えられていますが、精製の技術も高く、現在チタン精製は数カ国のみで行われています。 一般的には、以下の流れでチタン材料を精製します。


チタンの特性

物理的性質

  • 軽い(鋼の約60%)比重 4.51 (純チタン)
  • 融点が高い(mp約1668℃)
  • 熱膨張係数が小さい(ステンレスの約50%)
  • 熱伝導率が小さい(ステンレスなみ)
  • 電気抵抗が大きい(電気伝導度は銅の3%)
  • ヤング率が小さい(鋼の約50%)ヤング率(kgf/mm2)10,800 (純チタン)

耐食性

チタンの耐食性は表層の不働体皮膜により保たれていると言えます。この皮膜は安定で、かつ、皮膜が破れた時にも酸化雰囲気中では瞬時に修復されるため無機酸、塩化物、無機化合物、ガス、アルカリ等に対しても優れた耐食性を示します。
しかしながら、万能ではなく弱い薬剤等も有りますので、使用条件を吟味し、使用可否判断をする必要があります。

純チタンと言われるものにはJIS1種、JIS2種、JIS3種、JIS4種などがありますが、材料の特性としては1種がもっともやわらかく、2種、よりは3種とだんだん硬くなります。またチタンの純度は1種が最も高く2種、3種、4種とだんだん低くなっていきます。また航空機などに使われることが多いJIS60種(64合金)は非常に高強力ですが、難削材であり、加工が難しく、歩留まりが悪くなりがちである、などの問題点があります。
この加工性の問題に着目して開発されたのがβ系の15-3-3-3合金などであり、64合金とほぼ同等の強度を持ちながら、冷間での加工性は64合金より優れているのが特徴です。

チタンの硬度

よくチタンの硬度に関するお問い合わせをいただきますが、チタンは比強度などには優れていますが、それほど硬い金属ではありません。
あくまで参考値程度のものですが、HV(ビッカース硬度)でJIS1種で110以下、JIS2種で110〜155、JIS60種(64合金)で280以上程度になります。

チタンの切削加工

チタンは一般には難削材と言われており、チッピングや切刃が欠けたり、また工具の磨耗などの問題が発生しやすく、また化学的に活性であるため切りくずが燃えるなどと言うトラブルが発生することもあります。これらのことからチタンは硬い金属と思われがちですが、チタンの硬度はチタン64合金でもビッカース硬度で300前後であり、刃物鋼などと比べるとそれほど硬いわけではありません。
実はチタン切削時のこれらの現象は切削抵抗などによるものではなく、切削時の切りくずの出来方に大きな原因があると考えられています。
またチタンは熱伝導率が小さいことから工具に切削熱が蓄積しやすく、これが工具の磨耗の一因となります。したがってチタンを切削するときはこれらのことを考慮に入れて工具や切削油剤を選び、切削速度なども低めに設定することが必要です。